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Hitachi

Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO

特別対談 2

10月19日(金)16:00-17:15

結果を出し続けるチームビルディング
〜個人とチームのモチベーションを科学する〜

特別対談写真

大畑 大介
元ラグビー日本代表
ラグビーワールドカップ2019
アンバサダー
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
アンバサダー
2016年ワールドラグビー殿堂入り

田中ウルヴェ 京
日本スポーツ心理学会認定
スポーツメンタルトレーニング上級指導士
国際オリンピック委員会(IOC)
マーケティング委員
ソウル五輪
シンクロナイズドスイミング・デュエット
銅メダリスト

【モデレータ】
中北 浩仁
(株)日立製作所 理事
兼 日立アジア社・日立インド社 取締役会長
パラリンピック アイスホッケー日本代表チーム 監督

スポーツの現場で身につけた
チームビルディングとリーダーシップ

冒頭、「それぞれのスポーツにおいて、チームとは何か」という中北の質問に対し、大畑氏は「自分の持ち場でチームのために何ができるかを考え、共通の認識を持ち戦う集団であり、さまざまなキャラクターが、それぞれの多様性を持って集まっているのがラグビーのチームと言えます」と答え、田中氏は「ソロとデュエット、チームという3種目がありますが、チームでは同調させなければなりません。特長の異なる心技体を持つ個々の選手が、それぞれの特長を補いながら、1足す1を4にでも5にでもしていく感覚が、選手当時の感覚でした。また、日本代表チーム(8人)では、普段ソロでは個人として、デュエットではクラブチームとして、お互い競い合っている人同士が一緒に戦うため、チームとして共通の目的を持つことが大事なんです。」と答えました。

スポーツメンタルトレーニング上級指導士である田中氏は、プレゼンテーションで「メンタルトレーニングでは、現状、プロセス、目標、これら3つをどう捉えるかが人によって異なることを重要視しています」と説明し、『若い女性にも、老婆にも見える絵』を使い、「人によって見え方が違うという事が実は大事なのです。スポーツで言えば、ポジションだけではなく、人により目標のイメージの質感、現状の把握の仕方が違うので、自分を知るというトレーニングによって、チームを知ることが重要です。」と説明しました。

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大学時代の経験を語る大畑氏。

次に、大畑氏は大学時代に、例年リーダーの選出から全て決めていた監督の存在が大き過ぎて、言い訳し逃げている自分たちがいると考え、限られた時間の中で選手の誰もが当事者意識を持ち、それぞれがチームにコミットできるよう、自分たちでリーダーを選んだエピソードを紹介。「私がリーダーに選出されたとき、明確な目標が必要だと思い、日本一になるという目標を掲げました。チームにとっては背伸びした目標で、最初は誰もそのイメージがつかめなかったですが、自分が言い続けることで、試合に出れない人間までもがそれぞれの立ち位置でどうやったらチームの優勝に貢献できるかを考えるようになり、チーム全体が同じ方向を向いてアプローチしてくれました。結果、日本一には至らなかったものの、ラグビー部として過去最高位の成績を収めることが出来たのです。」と当時を振り返りました。

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メンタルトレーニング面から説明する田中氏。

田中氏によるストレスをコントロールする呼吸法の紹介を挟み、後半は中北の「日本のリーダーシップは一人が全て責任を負うケースが多いが、海外に目を向ければ、ジョブ分担が決まっている」と言う言葉を手始めに、リーダーシップをテーマに話を進めました。

大畑氏は、後輩に常に減点法で接して相手を萎縮させてしまっていたが、子供が生まれたことをきっかけに加点法で接するようになり、対人関係が改善したことを紹介。同じく厳しいコーチだった田中氏も激しく共感。

「現在は、常に自分がセキュア・ベース(安全基地)でいることを意識し、できるだけボーッとして人の充電器になるように心がけています」と説明。「安心する場所がどこかにあると、人は挑戦するようになるという理論です。セキュア・ベースのリーダー像は、協調性の高い日本人に適したリーダー像だと思います。」と続けました。

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モデレータを務めた日立の中北。

最後の質問として中北は、「どうすればモチベーションを上げ、良い環境を作れ自分自身も向上できるか」とお二人に尋ねました。
田中氏は日々心がけていることとして、「お礼を期待しないで感謝だけを発信することが、自分の元気につながります。でも、できない時には無理をしません。」と答え、大畑氏は「子供たちなどに、自分のなりたい自分を描いてください。恥ずかしがらずに正直に向き合えば、モチベーションが上がり、成長した自分自身が見えてきますよと伝えるようにしています。」と熱く語りました。