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Hitachi

Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUM 2015

特別講演

10月30日(金)10:00-11:00

21世紀産業革命の鍵となる
オープンイノベーションとエコシステム

21世紀の産業革命の行方 〜オープンイノベーションによる、新たな価値創造〜

3Dロボティックス社 CEO クリス・アンダーソン氏

講演写真

「多くの変化やイノベーションが製造業で起きている現在、また日本に来ることができて嬉しい。世界は新しい産業革命の時代に入りつつある。それはインターネット・テクノロジーが牽引するものです。しかし、それは物理的な世界にも影響を与えます」とアンダーソン氏は挨拶し講演を始めました。

まず、これまでの産業革命の歴史を振り返りその重要性に触れ、第一次産業革命では、人力が機械に置き換わり人が都市に集中。第二次産業革命では、「デスクトップ」の力が創造と配布のツールを民主化。そして、第三次産業革命では、機械とデジタルの2つを組み合わせた革命が起きていると説明しました。
「ここで重要なのは製造分野にも民主化が起きているということです」(アンダーソン氏)。

3Dプリンタやクラウドマニュファクチャリングの登場により、参入障壁を低くし、革新的な製品をスピーディに生み出すことが可能になったと説明。

講演写真
3Dロボティックス社 CEOのアンダーソン氏。

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3Dプリンタやクラウドマニュファクチャリングの登場で製造分野にも民主化が起きていると説明。

さらに、2007年に起きたいくつかの重要な発明に触れ、ドローン開発に取り組んだ経緯を説明。きっかけは、休日にレゴを使って自作した「空飛ぶロボット」でした。そして、オンライン上に「DIY Drones」というコミュニティを立ち上げ、コミュニティに参加してきたジョルディ・ムノス氏という青年と3Dロボティックス社を設立することに至ったと説明しました。

講演の後半では、自動化された家具工場の二人しかいない人間(プログラマーと廃棄物担当スタッフ)を例に、「これは、将来の労働力を表している。ロボットが全てのことをやってくれる。我々人間は、それを使うか下働きするかに分かれる」と指摘。

「人間は、人間が一番得意な事をやらなければならない。想像力を使って何かを創る。それは自分たちにスキルがあるからできるのではなく、スキルにアクセスできるから実現できる。誰かが知っていて、誰かが手伝ってくれる。また、チームを作って一番得意なものを持ち寄りながら、洗練されたものを創るのです」(アンダーソン氏)。

経済学者のロナルド・コース氏は「企業は取引費用を最小限にするために存在する」と主張しましたが、元サン・マイクロシステムズ社のビル・ジョイ氏は「最も有能な人材は、その企業を去り他へ行ってしまう」と否定しています。 「それでは、どうやって有能な人材を確保するのか、その答えがオープンイノベーションです」(アンダーソン氏)。

オープンイノベーションによる有能な人材を発掘する自社の手法を紹介し、プラットフォームを作ってコミュニティを作れば、優秀な人材が自らコミュニティに参加し集まってくれると説明しました。

講演の最後に競争の昔と今を比較し、19世紀は会社対会社だったのが、20世紀には製品対製品に変化し、そして、21世紀はエコシステム対エコシステム、プラットフォーム間の競争になると説明。「自分が取り込める以上の価値を作りなさい」というティム・オライリー氏の言葉を引用し、「つまり、我々のプラットフォーム上で他の人を勝たせるのです」と続けます。

「我々のプラットフォーム上ではドローンを買うこともできますが、知的財産権を無償公開しており、センサーやカメラ、ソフトウェアなどを自由に追加できます。そして、我々のエコシステムのメンバーが100倍儲けてくれることを歓迎します。さらなる価値を創出し、パイ全体を拡大させるのですから。全てを所有する必要はない、無償で提供しても何倍ものリターンが返ってくる。これが新しい産業革命での教訓です」とアンダーソン氏はメッセージを送り講演を締めくくりました。