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Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUM 2015

講演3

10月30日(金)15:00-16:00

新規事業に対する判断をユーザーに仰ぎ
新たなサービスを次々と展開

新しい価値を生み出すチームとは

株式会社 ディー・エヌ・エー 取締役 会長 ファウンダー/横浜DeNAベイスターズ オーナー 南場 智子氏

講演写真

講演の冒頭、「マンガボックス」や「SHOWROOM」などの事業内容を紹介。次に、新規事業を生み出すメカニズムについて南場氏は説明。

「一般的なフローでは、企画段階などでプロジェクトを進めるかどうかを経営判断されます。我々もこうしたフローで新規事業の組み立てをやっていました。しかし、必ずしも役員が市場のニーズを正しく読めるわけではないということに気づきました」(南場氏)。

経営会議で自らがボツにしたアイデアを、他社が似た形でサービス化して大ヒットするという苦い経験をもとに、新規事業の組み立て方を変更。役員が判断するのではなく、ユーザーの判断を仰ぐという手段を広く取り入れることにしました。

講演写真
株式会社 ディー・エヌ・エー 取締役 会長 ファウンダーの南場氏。

「担当者が考えて、作って、まずは市場に出してくださいということです。もちろん上場企業として最低限のチェックを法務部がします。公序良俗に反しないか、違法でないかだけをチェックし、あとは本人に任せます」(南場氏)。

こうして生まれたサービスを測る指標としてDeNAでは、リピート率を重視。リピート率が高いサービスは経営会議にかけられ、予算を投下し大々的なキャンペーンを打つなどの経営判断がされます。

DeNAでは、こうしたアプリ系のサービスだけでなく、インターネットで培ったスキルを用いて、新規事業に取り組んでいます。一つはオートモーティブ分野で、カーシェアリングサービス「Anyca」と、ロボットベンチャーのZMPとの合弁会社「ロボットタクシー」です。もう一つの分野は、遺伝子検査サービス「MYCODE」や健康保険組合向けサービス「KenCoM」などのヘルスケア事業です。

南場氏は、自身の経験をもとにヘルスケア事業に取り組んだ経緯と「健康を全くケアしなかったことで、何かあった時に悔しい思いをする人を減らしたい」という思いを語り、東京大学医科学研究所との共同研究による「MYCODE」のサービスの流れと、「自宅で簡単に検査ができる」「体質や疾患のかかりやすさがわかる」「病気予防のアドバイスが充実」「根拠を明示」という4つの特徴を紹介。

「一般消費者向け遺伝子検査サービスは始まったばかり。社会の信頼を得るには、業界として科学的根拠の徹底した開示が必要」と訴えました。

多様な事業を展開するDeNAには共通のノウハウがあります。それは「利用を始めてもらう力」と「利用を続けてもらう力」。全員に同じメッセージを送るのは前世紀のアプローチ、年代・性別などの属性によるセグメンテーションもすでに古い手法。DeNAでは、個々人に最適化したアプローチを行い、セグメンテーションでのアプローチと比較して約3.8倍の利用を始めてもらう力があり、利用を続けてもらう力としては約9.7倍もの効果あると南場氏は説明。

「この手法をヘルスケア事業にも活かして健康に良い行動を始めてもらって、健康に良い行動を続けてもらいたいと思います。皆さまも少しでも意識を高く持って健康寿命を延ばしていただきたいと思います」と南場氏はメッセージを送り講演を締めくくりました。