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Hitachi

Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUM 2015

ビジネスセッション2

10月29日(木) 15:10-16:40

「共生自律分散」に環境革命の視点を加えた
新たなイノベーションの実現へ

豊かさを深める新たな社会インフラをめざして

パネリスト
  • 造園家/ランドスケープアーキテクト 涌井 雅之氏
  • 株式会社 日立製作所 執行役専務 電力・インフラシステムグループ インフラシステム社社長 兼 グローバル事業統括本部長 酒井 邦造
モデレータ

日経BPクリーンテック研究所長 望月 洋介氏

講演写真

冒頭、モデレータの望月氏から人口問題や地方創生などの社会課題についての解説と、起こっている世の中の変化をどう捉えるかという問題提起がありました。それを受け、涌井氏は「人間の欲望によって経済が永遠に伸びていけるんだという幻想をそろそろ捨て、有限な地球環境から今のライフスタイルをどう変えれば持続的な未来を得られるのかという逆進的な考え方、『バックキャスティング』で考えないといけないという状況に来ている」と指摘しました。

これを受けて酒井は「因数分解だけで解決できない課題が増えてきました。また、日立だけで考えていても解にならない時代だと感じ、オープンイノベーションという形で進めています」と説明。涌井氏は「日立のオープンイノベーションや社会イノベーションが環境革命の問題と密接不可分であり、産業革命の視点だけでなく、環境革命での視点が必要」と応じました。

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造園家でランドスケープアーキテクトの涌井氏。

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株式会社 日立製作所 執行役専務 電力・インフラシステムグループ インフラシステム社社長 兼 グローバル事業統括本部長の酒井。

次のテーマとして、これからの都市・社会に求められるものについては、西洋と日本の都市の違い、西洋庭園と日本庭園の違い、さらに西洋的なシステムと日本型のシステムの違いなど、多くの示唆に富んだ内容が語られました。

「西洋では大きな三角形から小さな三角形を作っていき全体を統御しやすいシステムを作る。ところが、日本では小さな三角形を組み上げていきシステムを作ってきた」(涌井氏)。

さらに、「これからの街づくりには、中央集権的なリンゴ型システムではなくネットワーク重視のブドウ型システムが必要」と涌井氏が説明すると、ブドウ型システムをイメージさせる例として「自律分散型アーキテクチャ」を酒井が紹介しました。

後半はIoTをどう使っていくのかという議論に移り、酒井が水道やエネルギーの最適制御の例を紹介。次いで、自律分散を一歩進めた「共生自律分散」の異業種を繋いで新たな価値を創造するという考え方を紹介。涌井氏からは「さらに一歩進めて、自然との共生も加えてほしい」との指摘とともにグリーンインフラの有用性が示されました。

終盤に、酒井が鉄道分野のシミュレーション適用例を紹介。新しい地下鉄の導入効果が都市に暮らす人たちのライフスタイルまで変えていく可能性を示すと、「人間社会だけで自己完結できる考え方でなく、自然環境の観点を付け加えてもらえれば、もっと美しくて持続的な設計ができる。ここまでの技術水準があれば、それも充分可能だなと夢を持つことができました」と涌井氏は日立の今後に期待を寄せました。